抄訳
「洋書を抄訳する」などのように使う「抄訳」という言葉。
「抄訳」は、音読みで「しょうやく」と読みます。
「抄訳」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「抄訳」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
抄訳の意味
「抄訳」には次の意味があります。
・原文のところどころを抜き出して翻訳すること。また、その訳文。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、「抄訳」は「原文のいくつかの部分を抜粋して翻訳すること」を意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・外国の新聞を抄訳して、海外事情を報道することを主にしている。
(出典:高田宏『言葉の海へ』)
・向いの机で、邦字新聞から経済記事を他の一人が抄訳している。
(出典:宮本百合子『街』)
・それらの手紙によれば、エーレナは結局いま抄訳した手紙にある命令に従ったようである。
(出典:スタンダール/宗左近訳『カストロの尼』)
・それで以下、適宜抄訳意訳に簡単な註釈も加え御紹介しておきたい。
(出典:井上良夫『J・D・カーの密室犯罪の研究』)
・抄訳であることは残念だと思う。
(出典:宮本百合子『『この心の誇り』』)
類語
・意訳(いやく)
意味:原文の一語一語にとらわれず、全体の意味やニュアンスをくみとって翻訳すること。(出典:デジタル大辞泉)
・逐語訳(ちくごやく)
意味:原文中の一語一語を忠実にたどって訳すこと。また、その訳文。逐字訳。(出典:デジタル大辞泉)
・直訳(ちょくやく)
意味:外国語の文章を、原文に忠実に一語一語をたどるように訳すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・全訳(ぜんやく)
意味:原文を省略することなく全部翻訳すること。また、その訳。(出典:デジタル大辞泉)
・完訳(かんやく)
意味:外国語の文章の全文を翻訳すること。また、その文や書物。全訳。(出典:精選版 日本国語大辞典)