愚か
「愚かな考え」などのように使う「愚か」という言葉。
「愚か」は、訓読みで「おろか」と読みます。
「愚か」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「愚か」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
愚かの意味
「愚か」には次の二つの意味があります。
1 頭の働きが鈍いさま。考えが足りないさま。
2 ばかげているさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
愚かの意味①「頭の働きが鈍いさま。考えが足りないさま。」
「愚か」の一つ目の意味は「頭の働きが鈍いさま。考えが足りないさま。」です。
頭の回転が鈍い、劣っていることを言います。また、浅はかな考えのことを言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・馬鹿者は、自分の愚かな行動から身を守ることなどできないんだからな。
(出典:ハインライン『愛に時間を1』)
・まったくあの男は活動的なやつで、それも彼の愚かさからくるのです。
(出典:原田義人『城』)
・わたしは愚かにも君を信頼した、そのことに対しては弁解の余地もない。
(出典:フィルポッツ/赤冬子訳『赤毛のレッドメーン家』)
・だが、こうした貴族的な誇りにもかかわらず、彼女は愚かではなかった。
(出典:バローズ/小西宏訳『火星のチェス人間』)
類語
・愚者(ぐしゃ)
意味:おろかな者。ばかもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・粗雑(そざつ)
意味:いいかげんで大ざっぱなこと。(出典:デジタル大辞泉)
・安直(あんちょく)
意味:気軽なこと。容易なこと。しかつめらしくないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・浅はか(あさはか)
意味:考えが不十分なさま。思慮が足りないさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
愚かの意味②「ばかげているさま。」
「愚か」の二つ目の意味は「ばかげているさま。」です。
この意味で使われることが多いです。つまり、「愚かな考え」とは「馬鹿げた考え」と言う意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私は草ほど人を愚かに見下げているものはないという気になって来た。
(出典:横光利一『欧州紀行』)
・愛が人をどこかに導かんことを望むのは、人間の愚かなる願いである。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・彼は人間の心に巣くう悪と、愚かさとを見ないわけにはいかなかった。
(出典:ウェルズ/宇野利泰訳『宇宙戦争』)
・一言で云えば人智は自然の前にはなお愚かだからと言い得るであろう。
(出典:柳宗悦『工芸の道』)
類語
・馬鹿(ばか)
意味: つまらないこと。無益なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・軽骨(けいこつ)
意味:他人から見て軽はずみで不注意に見えると思われるような愚かなこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・粗忽(そこつ)
意味:軽はずみなこと。そそっかしいこと。(出典:デジタル大辞泉)