悲哀
「悲哀のこもった眼差し」などのように使う「悲哀」という言葉。
「悲哀」は、音読みで「ひあい」と読みます。
「悲哀」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「悲哀」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
悲哀の意味
「悲哀」には次の意味があります。
・悲しくあわれなこと。(出典:デジタル大辞泉)
「悲哀」は「悲しくあわれな気持ち」という、気持ちを表す言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・その事を私の心に感受するほどの悲哀を私はまだ一度もうけた事はない。
(出典:宮本百合子『日記』)
・今度はその目に怒りの色はなく、ただ絶望の悲哀の情があるだけだった。
(出典:バローズ『火星シリーズ2 火星の女神イサス』)
・こんなに急に悲哀から快活へと移るのは見たことがないと夫人にいった。
(出典:カザノヴァ/田辺貞之助訳『カザノヴァ回想録 第一巻』)
・わたしはこの事について非常に悲哀を感じ、今も時々思い出すのである。
(出典:魯迅『頭髪の故事』)
・肉体的な苦痛や、人間感情の悲哀を消してくれるのが信仰の目的ではない。
(出典:永井隆『この子を残して』)
・敷石の近くを行きつ戻りつしている足音を聞くと、格別の悲哀を感じた。
(出典:C・L・ムーア『N・W・スミス&ジレル・シリーズ(全4巻) 処女戦士ジレル 暗黒神のくちづけ』)
・肺病には興奮や心配や落胆や悲哀が一番悪く影響するのを私は知っていた。
(出典:松永延造『職工と微笑』)
・いよいよ完成された美は父宮のお心にかえって悲哀をもたらした。
(出典:与謝野晶子『源氏物語』)