恩恵
「恩恵を受ける」などのように使う「恩恵」という言葉。
「恩恵」は、音読みで「おんけい」と読みます。
「恩恵」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「恩恵」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
恩恵の意味
「恩恵」には次の二つの意味があります。
1 恵み。いつくしみ。
2 キリスト教で、神の恩寵。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
恩恵の意味①「恵み。いつくしみ。」
「恩恵」の一つ目の意味は「恵み。いつくしみ。」です。
この意味の「恩恵」をわかりやすく言えば、「幸福や利益をもたらすもの」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・君は近代の間違いばかりを指摘して、これの利益や恩恵を感じないのだ。
(出典:横光利一『旅愁』)
・一方的な恩恵が与えられるようになったら、友達ではなくなってしまう。
(出典:石毛直道『食生活を探検する』)
・まるでこの家で示してもらった最大の恩恵だとでもいうような調子だった。
(出典:原田義人『変身』)
・美しくないと恩恵を受けられないという思いは、芙美子にも強くあった。
(出典:群ようこ『飢え』)
類語
・恩顧(おんこ)
意味:目上の者が目下の者に情けをかけること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・冥利(みょうり)
意味:ある立場にいることによって受ける恩恵。(出典:デジタル大辞泉)
・容赦(ようしゃ)
意味:ゆるすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・赦免(しゃめん)
意味:課せられるべき責務などを免除すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
恩恵の意味②「キリスト教で、神の恩寵。」
「恩恵」の二つ目の意味は「キリスト教で、神の恩寵。」です。
神からの恵みのことを指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私はその力を恩恵というよりむしろ刑罰と見なければならなかった。
(出典:カザノヴァ/田辺貞之助訳『カザノヴァ回想録 第一巻』)
・すべてを神様の恩恵と観じ何時でも頂いたものをお返しする用意をしよう。
(出典:神谷美恵子『神谷美恵子日記』)
・古代から、人々がその恩恵を受けることを喜び、感謝してきた幸運の化神だ。
(出典:山本弘,安田均,高井信『妖魔夜行 しかばね綺譚』)
・目立って派手な職ではなかったが、ぼくはこれを神の恩恵として受け入れた。
(出典:プレヴォ/鈴木豊訳『マノン・レスコオ』)
類語
・幸せ(しあわせ)
意味:運がよいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・恩寵(おんちょう)
意味:神や主君から受ける恵み。(出典:デジタル大辞泉)
・祝福(しゅくふく)
意味:キリスト教で、神の恵みが与えられること。(出典:デジタル大辞泉)
・天恵(てんけい)
意味: 天のめぐみ。(出典:精選版 日本国語大辞典)