恐ろしい
「恐ろしい目に合う」などのように使う「恐ろしい」という言葉。
「恐ろしい」は、訓読みで「おそろしい」と読みます。
「恐ろしい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「恐ろしい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
恐ろしいの意味
「恐ろしい」には次の二つの意味があります。
1 危険を感じて、不安である。こわい。
2 程度がはなはだしい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
恐ろしいの意味①「危険を感じて、不安である。こわい。」
「恐ろしい」の一つ目の意味は「危険を感じて、不安である。こわい。」です。
身の危険を感じて怖がっていることを意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・わしはこの島にただ一人残って船の姿が見えなくなる瞬間が恐ろしい。
(出典:倉田百三『俊寛』)
・彼が悪意をもった危険なものであるかのような気がして、恐ろしかった。
(出典:ロレンス/飯島淳秀訳『チャタレイ夫人の恋人』)
・ときどき彼女はいかにも恐ろしそうにド・レナル夫人の名を口に出した。
(出典:スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(下)』)
・子供だった私には、雪の恐ろしさや難儀なことがまるでわからなかった。
(出典:ニコル『C・W・ニコルの自然記』)
類語
・空恐ろしい(そらおそろしい)
意味:将来どうなるかと、言いようのない不安を感じてこわい。(出典:デジタル大辞泉)
・物恐ろしい(ものおそろしい)
意味:なんとなく恐ろしい。(出典:デジタル大辞)
・恐れる(おそれる)
意味:危険を感じて不安になる。恐怖心を抱く。(出典:デジタル大辞泉)
・恐れ(おそれ)
意味:よくないことが起こるかもしれないという心配。(出典:デジタル大辞泉)
恐ろしいの意味②「程度がはなはだしい。」
「恐ろしい」の二つ目の意味は「程度がはなはだしい。」です。
「恐ろしいくらいに頭が良い」で、「驚きあきれるほどに頭が良い」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いつも恐ろしく真面目な顔をして煙草をふかしながら沖の方を見ている。
(出典:寺田寅彦『嵐』)
・楽にかいてあるようで、実は恐ろしく骨の折れたと思われる絵がある。
(出典:寺田寅彦『二科会展覧会雑感』)
・彼は低い、机に似た将棋盤の前に坐って恐ろしく陰気な音で吹き続けた。
(出典:モース・エドワード・シルヴェスター『日本その日その日』)
・余は生れてからこの時ほど強くまた恐ろしく光力を感じた事がなかった。
(出典:夏目漱石『思い出す事など』)
類語
・頗る(すこぶる)
意味:程度がはなはだしいさま。非常に。たいそう。(出典:デジタル大辞泉)
・とても
意味:程度のはなはだしいさま。非常に。たいへん。とっても。(出典:デジタル大辞泉)
・大層(たいそう)
意味:程度や分量がはなはだしいさま。たいへん。ひどい。(出典:デジタル大辞泉)
・甚だしい(はなはだしい)
意味:普通の度合いをはるかに超えている。(出典:デジタル大辞泉)