忘我
「忘我の境地」などのように使う「忘我」という言葉。
「忘我」は、音読みで「ぼうが」と読みます。
「忘我」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「忘我」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
忘我の意味
「忘我」には次の意味があります。
・夢中になって、我を忘れること。心を奪われうっとりすること。(出典:デジタル大辞泉)
「忘我」を分かりやすく言うと「熱中して自分を見失うこと」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この忘我の瞬間に、コナンは王の時代の口調をうっかり口に出していた。
(出典:R・E・ハワード『征服王コナン』)
・忘我するヤツの思考が、それこそ呪いのように、俺の意識に流れてくる。
(出典:奈須きのこ『月姫 アルクェイド・トゥルーエンド』)
・忘我の状態にありながらも、左の肘ひじと腿ももから熱を帯びた痛みが感じられた。
(出典:菊地秀行『幽剣抄』)
・今の状態は、彼にとっては、眠りという忘我の状態にいちばん近いものだった。
(出典:クラーク『都市と星』)
・逮捕された段階では、九分九厘錯乱していたか、忘我の状態だった筈である。
(出典:京極夏彦『狂骨の夢』)
類語
・没頭(ぼっとう)
意味:一つの事に熱中して他を顧みないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・無我夢中(むがむちゅう)
意味:何かに心を奪われ、われを忘れること。(出典:デジタル大辞泉)
・執心(しゅうしん)
意味:ある物事に心を引かれて、それにこだわること。また、その心。(出典:デジタル大辞泉)
・放心(ほうしん)
意味:心を奪われたりして、魂が抜けたようにぼんやりすること。(出典:デジタル大辞泉)
・魅了(みりょう)
意味:人の心をすっかりひきつけてしまうこと。夢中にさせてしまうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)