心情
「心情に訴える」「心情を察する」などいろいろな時に使われる「心情」ですが、似た意味の「心境」や「心中」との使い分けはできているでしょうか?
使い分けをするためには言葉の意味をよく知ることが大切です。
この記事では「心情」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説してきます。
心情の意味
「心情」には次の意味があります。
・心の中にある思いや感情。(出典:デジタル大辞泉)
「心情」を簡単に言うと「心でおもい、感じていること」になります。
「心情的」で論理的ではなく感情的な面を意味します。
また、「~的心情」で「~としての考え方や感情」を表します。
具体的な使い方や例文は下記の通りです。
使い方・例文
・そういうものに触れない抽象的な宗教的心情や信仰はあり得ないからだ。
(出典:戸坂潤『思想と風俗』)
・こちらの心情を知ってか知らずか、中村は実務面の話を持ち出してきた。
(出典:福井晴敏『終戦のローレライ(下)』)
・ほかに攻め手が見つからないから、心情に訴えかけようとしているのだ。 つまり、このまま押し通せばいいということになる。
(出典:東野圭吾『赤い指』)
・あまり他人の心情を慮ることのない雄二だが、その姿は妙に印象に残った。
(出典:井上堅二『バカとテストと召喚獣 6.5』)
・地獄で仏に会ったという心情はこんな場合をでも指すのだろうか。
(出典:島尾敏雄『魚雷艇学生』)
・牛河には彼らの心情を想像することができた。それはある意味では、牛河自身の抱いていた心情でもあったからだ。
(出典:村上春樹『1Q84 BOOK3』)