年季が入る
「年季がはいったカバン」などのように使う「年季が入る」という言葉。
「年季が入る」は、「ねんきがはいる」と読みます。
「年季が入る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「年季が入る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
年季が入るの意味
「年季が入る」には次の二つの意味があります。
1 長い間修練を積んで確かな腕をしている。
2 道具などが長く使い込まれている。老朽化している。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
年季が入るの意味①「長い間修練を積んで確かな腕をしている。」
「年季が入る」の一つ目の意味は「長い間修練を積んで確かな腕をしている。」です。
言い換えると、何かの技術や技法について熟練している、という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・剣を取る手つきにも実際の戦闘にも、かなりの年季が入っている。
(出典:茅田砂胡『デルフィニア戦記 第1巻 「放浪の戦士」』)
・痴漢の年季が入ってくると、痴漢行為のみに性的満足を得るようになる。
(出典:森村誠一『夢の原色』)
・息子の方はまだそこまで年季が入っていない。
(出典:近藤紘一『妻と娘の国へ行った特派員』)
・彼のやり方はそれ相当の年季が入っておるがな。
(出典:姉小路祐『動く不動産』)
類語
・熟練(じゅくれん)
意味:物事に慣れて、手際よくじょうずにできること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・老練(ろうれん)
意味:経験を積んで、物事に熟練していること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・熟達(じゅくたつ)
意味:熟練して上達すること。なれて、上手になること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・円熟(えんじゅく)
意味:人格・知識・技術などが円満に発達し、豊かな内容をもっていること。(出典:デジタル大辞泉)
年季が入るの意味②「道具などが長く使い込まれている。老朽化している。」
「年季が入る」の二つ目の意味は「道具などが長く使い込まれている。老朽化している。」です。
簡単に言い換えると、古い、という意味です。
状況によって、いい意味でも悪い意味でも使うことができます。
いい意味では、年月がたって味が出ているというポジティブな意味合いを含み、悪い意味では、古びてボロボロになってしまっているという意味合いになります。
また、物に対してだけではなく、人に対しても使うことができます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・プレハブはそんなに古いようには思えないが、置かれている机や椅子はかなり年季が入っている。
(出典:海月ルイ『十四番目の月』)
・千秋の母親なら五十前後だろうが、それよりもだいぶ年季が入っている。
(出典:樋口有介『魔女』)
・そしてあたしたちのウチもドブに負けず劣らず随分と年季が入っている。
(出典:大道珠貴『裸』)
・鍵を開けて出てきたのは、その家よりさらに年季が入っているおばあちゃんだった。
(出典:桂米助『ごはん』)
類語
・古びる(ふるびる)
意味:古くなる。古くさくなる。(出典:デジタル大辞泉)
・古臭い(ふるくさい)
意味:いかにも古い感じである。古びていて陳腐である。時代遅れである。(出典:デジタル大辞泉)
・古惚ける(ふるぼける)
意味:古くなって、きたならしくなる。古くなって色や形がはっきりしなくなる。(出典:デジタル大辞泉)
・寂びる(さびる)
意味:古くなって特有の趣が出る。古めかしい味わいがある。(出典:デジタル大辞泉)