希代
「希代の天才」などのように使う「希代」という言葉。
「希代」は、音読みで「きたい」と読みます。
「希代」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「希代」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
希代の意味
「希代」には次の二つの意味があります。
1 世にもまれなこと。めったに見られないこと。
2 不思議であること。非常に変わっていること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
希代の意味①「世にもまれなこと。めったに見られないこと。」
「希代」の一つ目の意味は「世にもまれなこと。めったに見られないこと。」です。
この意味を分かりやすく言うと、「非常にめずらしい人・物や事柄」のことです。「何千年に1人の逸材」なども「希代の人物」のように言い換えることができます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・さすがは希代の女剣士に選ばれただけのことはあるというところか。
(出典:林亮介『和風Wizardry純情派 1』)
・陰陽の道に深く通じ、当時の世にあっては、希代の陰陽師として知られた人物である。
(出典:夢枕獏『陰陽師』)
・希代の名探偵にあやかろうと、そう命名されたのでもない。
(出典:歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』)
・そして希代の軍事技師であり、建築家であり、彫刻家でもあると自称する。
(出典:三雲岳斗『旧宮殿にて』)
類語
・稀有(けう)
意味:めったにないこと。とても珍しいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・希少(きしょう)
意味:少なくて珍しいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・類い稀(たぐいまれ)
意味:非常に数が少なく、珍しいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・レア
意味:珍しいこと。(出典:デジタル大辞泉)
希代の意味②「不思議であること。非常に変わっていること。」
「希代」の二つ目の意味は「不思議であること。非常に変わっていること。」です。
この意味では「希代の変人」などのように、常識では考えられないほど変わった人やそのさまを指します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あの希代の変装魔二十面相は、やっぱり生きていたのでしょうか。
(出典:江戸川乱歩『妖怪博士』)
・この希代の逸物が、どんどん大きくなって、むこうのほうへのびていった。
(出典:藤本義一編『古典落語・上方艶ばなし』)
・手をやいていた希代の凶賊が、なんと思いがけなくつかまったことでしょう。
(出典:江戸川乱歩『怪人二十面相』)
・ビスト家が生んだ希代の女傑にして、鬼子でもある女の艶やかな笑みだった。
(出典:福井晴敏『機動戦士ガンダムUC(全10巻) 機動戦士ガンダムUC 3 赤い彗星』)
類語
・奇態(きたい)
意味:普通とは違った感じを与えること。(出典:デジタル大辞泉)
・異彩(いさい)
意味:普通とは違ったいろどり。(出典:デジタル大辞泉)
・異色(いしょく)
意味:他と異なって特色のあること。(出典:デジタル大辞泉)
・変梃(へんてこ)
意味:奇妙なさま。(出典:デジタル大辞泉)