屏風
「金色の屏風」などのように使う「屏風」という言葉。
「屏風」は、音読みで「びょうぶ」と読みます。
「屏風」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「屏風」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
屏風の意味
「屏風」には次の意味があります。
・《風を屏ぐ意》室内に立てて風をさえぎったり、仕切りや装飾に用いたりする調度。長方形の木の枠に紙・絹を張ったものを2枚・4枚・6枚などとつなぎ合わせ、折り畳めるようにしてある。多くは表面を絵や書で飾る。中世以後、左右二つを一双として、関連する図柄を描くようになった。(出典:デジタル大辞泉)
もともとは風を防いだり、仕切りとしての家具でしたが、いつの間にか、屏風絵が発展して美術品として扱われるものも多く残っています。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・一方には先の若い奥さんの時代からあった屏風も立ててある。
(出典:島崎藤村 『岩石の間』)
・小六も黙って、座敷の隅に立ててあった二枚折の抱一の屏風を眺ながめていた。
(出典:夏目漱石 『門』)
・吊り台から移された死骸は屏風の蔭に白い蒲団の上に臥かされてあった。
(出典:徳田秋声 『足迹』)
・こちらの室の御簾のそばに立てた屏風も端のほうが都合よく畳まれているのである。
(出典:与謝野晶子 『源氏物語』)
・六畳ふた間のつづきになっている二階のしきりには簾屏風が立ててある。
(出典:矢田津世子 『神楽坂』)
・かなり美しい色を厚くつかった大和絵風の屏風の絵のようなものである。
(出典:風巻景次郎 『中世の文学伝統』)
・西洋好きの私の父は西洋から来た石版画で屏風が作らせてありました。
(出典:与謝野晶子 『私の生ひ立ち』)
・迫っていた山が離れて、黒い巨大な影が雪の中に屏風のように聳えている。
(出典:水野葉舟 『遠野へ』)