宵の口
「まだ宵の口」などのように使う「宵の口」という言葉。
「宵の口」は、訓読みで「よいのくち」と読みます。
「宵の口」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「宵の口」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
宵の口の意味
「宵の口」には次の意味があります。
・日が暮れて夜になりはじめたばかりのころ。また、夜のまだふけないころ。(出典:デジタル大辞泉)
「夜のまだふけないころ」を指す言葉になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・午前二時や三時はホテルにとって宵の口だと豪語するだけのことはある。
(出典:森村誠一『高層の死角』)
・家から数歩離れた巨大な菩提樹の下で宵の口を過ごすのが慣例となった。
(出典:スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(上)』)
・そうだわ、あんたも宵の口、あたしの部屋へ踏みこんできたひとだわね。
(出典:田村泰次郎『肉体の門・肉体の悪魔』)
・まだ宵の口だからどの家も起きていて、そこの人たちも銃の音はきいている。
(出典:水上勉『木綿恋い記(上)』)
・八時ごろはまだ昼のうちで、九時あたりからやつと宵の口になる感じである。
(出典:神西清『地獄』)
・時間は宵の口にホテルを出た直後になっている。清里は、エレベーターのなかで伝言を読んだ。
(出典:三浦哲郎『愛しい女』)
・宵の口からこんなものをみせて、おまえの気をひこうてえんじゃねえや。
(出典:横溝正史『人形佐七捕物帳 15』)
・お駒ちゃんは、宵の口におせい様に招ばれて来たときの服装のままだった。
(出典:林不忘『巷説享保図絵』)