宝庫
「自然の宝庫」などのように使う「宝庫」という言葉。
「宝庫」は、音読みで「ほうこ」と読みます。
「宝庫」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「宝庫」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
宝庫の意味
「宝庫」には次の二つの意味があります。
1宝物を納めておくくら。たからぐら。
2資源を多量に産出する所。転じて、貴重なもの、希求するものなどが満ちている所。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
宝庫の意味①「宝物を納めておくくら。たからぐら。」
「宝庫」の一つ目の意味は「宝物を納めておくくら。たからぐら。」です。
貴族や位の高い人、資産家が自宅や敷地内に財産をしまっておく特別の建物または部屋のことです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼は暗中に宝庫の内をさぐってみるような一種奇妙な興奮にとらわれた。
(出典:海野十三『放送された遺言』)
・王がにがりきったのは、まず第一に、宝庫をみつけられる者がいること。
(出典:アリグザンダー『(プリデイン物語4)旅人タラン』)
・宝庫の入口かも知れないと思ったから、大急ぎに穴を塞いで帰って来たんだ。
(出典:野村胡堂『水中の宮殿』)
・その為にこそ、正倉院という宝庫は生きのびることができたのである。
(出典:半村良『闇の中の哄笑』)
類語
・蔵(くら)
意味:物をしまっておく建物。(出典:デジタル大辞泉)
・納屋(なや)
意味:屋外に建てられた物を納めておく小屋。(出典:デジタル大辞泉)
・宝物殿(ほうもつでん)
意味:宝物をおさめた御殿。多く、寺社などの建物をいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・秘宝(ひほう)
意味:人に見せずたいせつにしておくたから。(出典:精選版 日本国語大辞典)
宝庫の意味②「 資源を多量に産出する所。転じて、貴重なもの、希求するものなどが満ちている所。」
「宝庫」の二つ目の意味は「資源を多量に産出する所。転じて、貴重なもの、希求するものなどが満ちている所。」です。
明るい未来を思い描けるものがつきることがないほど沢山ある場所で、かつ未来にむけて大切に守り続けたくなるような場所のことをいいます。また個人の素晴らしい特性について、褒めるときの比喩としても常用されます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・会社というのは、よく見ると、こうした自分のアイデア実現の宝庫なのです。
(出典:岩月謙司『女は男のどこを見ているか』)
・魔力の宝庫みたいなもので、魔力を使う場合、極めて有利なんですね。
(出典:吉野匠『レイン外伝 仄暗き廃坑の底で』)
・彼女は無限の宝庫をでも持っているもののように見えた。
(出典:徳田秋声『仮装人物』)
・大学だけが「知識の宝庫」でなくなったことがこのことにいっそう拍車をかけました。
(出典:岩月謙司『女は男のどこを見ているか』)
類語
・楽園(らくえん)
意味:楽しい庭園。苦しみのない安楽に暮らせる所。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・天然(てんねん)
意味:人の作為が加わっていないこと。自然のままであること。また、そのさま。また、人の力ではおよばないことやそのさま。自然。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・金脈(きんみゃく)
意味: 金の鉱脈。(出典:デジタル大辞泉)
・財産(ざいさん)
意味:比喩的に、金銭を産みだす源となる技術や能力など。(出典:精選版 日本国語大辞典)