好転
「好転反応」などのように使う「好転」という言葉。
「好転」は、音読みで「こうてん」と読みます。
「好転」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「 好転 」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
好転の意味
「 好転 」には次の二つの意味があります。
1 情勢がよい方へ向かうこと。
2 沈滞していた市場の人気が活況を呈して相場が上がり気味になること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
好転の意味①「情勢がよい方へ向かうこと」
「好転」の一つ目の意味は「情勢がよい方へ向かうこと」です。
「好転」は漢字の通り「好ましい方へ転じること」を意味する二字熟語であり、「情勢がよい方へ向かうこと」という意味で使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・間違いないが、銃を使ったからといって事態が好転するとは思えなかった。
(出典:山田正紀『火神(アグニ)を盗め』)
・かと言って、この場から退却すれば状況が好転するとも思えなかった。
(出典:山本弘『サーラの冒険 1 ヒーローになりたい !』)
・しかしそれが、事情の好転にどれだけ役立ったかは、また別問題である。
(出典:安部公房『第四間氷期』)
・しかし女の症状は好転しなかったとみえ、数時間後再び来院したのである。
(出典:上野正彦『死体は生きている』)
類語
・改善(かいぜん)する
意味:物事の悪い面を改めてよくすること。よい方向へ改めること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・好(この)ましくなる
意味:形容詞「好ましい」(意味:そうあってほしい。また、そうあるべきである。のぞましい。)の連用形である「好ましく」に、動詞「なる」が付いた形。(出典:デジタル大辞泉)
・プラスに転じる
意味:よいこと。肯定的なことへ転じること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
好転の意味②「 沈滞していた市場の人気が活況を呈して相場が上がり気味になること 」
「好転」の二つ目の意味は「沈滞していた市場の人気が活況を呈して相場が上がり気味になること」です。
市場や相場が良い方向に転じ上がり気味になることという意味で、経済用語や金融用語としてよく使います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・不動産相場がようやく好転し始める。
・下落トレンドだった株式市場が好転し、上昇トレンドに入る。
・先物相場が好転するとの予想が外れ、損失が出た。
類語
・上(のぼ)り調子(ちょうし)になる
意味:からだや技術などの状態が、しだいによいほうに向かうこと。(出典:デジタル大辞泉)
・上向(うわむ)きに転(てん)じる
意味:物事の状態などがよいほうに向かうこと。特に、相場・物価などが上がる傾向にあること。(出典:デジタル大辞泉)
・上昇相場(じょうしょうそうば)
意味:価格が右肩上がりで上昇している相場のこと。(出典:実用日本語表現辞典)