大仰
「大仰に頷く」などのように使う「大仰」という言葉。
「大仰」は、「おおぎょう」と読みます。
「大仰」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「大仰」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
大仰の意味
「大仰」には次の二つの意味があります。
1 大げさなこと。また、そのさま。誇大。
2 規模や計画の大きいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
大仰の意味①「大げさなこと。また、そのさま。誇大。」
「大仰」の一つ目の意味は「大げさなこと。また、そのさま。誇大。」です。
この意味では、「大仰な噂」「大仰な泣き声」などのように、事実よりも大げさなさまを表します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それを執拗に、大仰らしく調べている綱手へも腹が立ってきた。
(出典:直木三十五『南国太平記』)
・悲鳴こそ大仰だったが、実際にはすねの皮膚を浅く削がれたにすぎない。
(出典:山田正紀『闇の太守 御贄衆の巻』)
・大仰に言えば立っているのが不思議なくらい、全員が疲弊しきっているのだ。
(出典:茅田砂胡『デルフィニア戦記 第6巻 「獅子の胎動」』)
・ただ自分だけは違うって、プライドって言葉は大仰だけどそう思ってた。
(出典:大槻ケンヂ『グミ・チョコレート・パイン チョコ編』)
類語
・誇大(こだい)
意味:実際以上に大げさに言ったり考えたりすること。(出典:デジタル大辞泉)
・大袈裟(おおげさ)
意味:大きな袈裟。(出典:デジタル大辞泉)
・オーバー
意味:表現や態度が、大げさであること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・事々しい(ことごとしい)
意味:大げさである。(出典:デジタル大辞泉)
大仰の意味②「規模や計画の大きいこと。また、そのさま。」
「大仰」の二つ目の意味は「規模や計画の大きいこと。また、そのさま。」です。
この意味では、実際に物事の規模や人の気持ちが大きい様子を表す場合に使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・裁判に勝つなんて大仰なことじゃないけど、僕にもなにかができたと。
(出典:井田真木子『もうひとつの青春 同性愛者たち』)
・何日間にもわたって行われた完成の式典は大仰なものだったそうだ。
(出典:牧野修『だからドロシー帰っておいで』)
・人の世の苦しみを自分ひとりが背負ったような大仰さであった。
(出典:本庄陸男『石狩川』)
・ただの修道院にこんな大仰なものがあるのは、おかしいからね。
(出典:桜庭一樹『GOSICK 第5巻』)
類語
・大層(たいそう)
意味:大規模なさま。(出典:デジタル大辞泉)
・大規模(だいきぼ)
意味:規模が大きいこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・大形(おおがた)
意味:内容・規模が他のものより大きいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・大掛かり(おおがかり)
意味:多くの費用・人手をかけて、規模が大きいこと。(出典:デジタル大辞泉)