場末
「場末の定食屋さん」などのように使う「場末」という言葉。
「場末」は、訓読みで「ばすえ」と読みます。
「場末」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「場末」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
場末の意味
「場末」には次の意味があります。
・にぎやかな町の中心部から離れた所。町はずれ。また、都心からはずれた所。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「場末」をわかりやすくいうと、人が多くいる街の中心地ではなく、そこから少し遠ざかった場所という意味になります。
「盛り場」の反対の意味をもつ言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・東京の場末とおぼしき町でぼんやり空を見つめやる青年。
(出典:秋野平『ロック、70年代—復刻CDに時代を聴く』)
・私のローラースケート仲間の若い女の子が、場末のバーでその人によく会うというのです。
(出典:小林信彦『紳士同盟』)
・普通の場末の二階家をそのまま工場に使っていた。
(出典:宮本百合子『一本の花』)
・この映画館は、場末にあるせいか、酒を飲んで入ってくる客が多い。
(出典:西村京太郎『雨の中に死ぬ』)
・場末の役者ともなれば、根はそれだけのものだと心得ているからである。
(出典:坂口安吾『退歩主義者』)
類語
・裏町(うらまち)
意味:表通りの裏側にある町。裏通りの町。うらちょう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・出外れ(ではずれ)
意味:出外れた所。町や村などの外れ。(出典:デジタル大辞泉)
・町外れ(まちはずれ)
意味:町の家並みが終わろうとする辺り。町の外れ。(出典:デジタル大辞泉)
・横町(よこちょう)
意味:表通りから横へ入った町筋。また、その通り。よこまち。(出典:デジタル大辞泉)
・路地裏(ろじうら)
意味:路地をはいり込んだ、表通りに面していない所。(出典:デジタル大辞泉)