堂々
「堂々とやってのける」などのように使う「堂々」という言葉。
「堂々」は、音読みで「どうどう」と読みます。
「堂々」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「堂々」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
堂々の意味
「堂々」には次の二つの意味があります。
1 りっぱで威厳のあるさま。
2 なんの隠しだてもないさま。こそこそしないさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
堂々の意味①「りっぱで威厳のあるさま。」
「堂々」の一つ目の意味は「りっぱで威厳のあるさま。」です。
近づきがたいほど立派なことであるさまを表す言葉で、「堂々たる門構え」「堂々とした態度」のように使われるのがこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・ところが、宗廟や朝廷にお出になると、いうべきことは堂々といわれる。
(出典:下村湖人『現代訳論語』)
・あまり堂々とやっていたので、その筋の盲点にはいったわけでしょう。
(出典:江戸川乱歩『影男』)
・相手は例のいつに変わらぬ微笑を浮かべて、彼のほうへ堂々と進み出て来た。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・バーテンダーは別に大きくもないし、ちつとも堂々としていなかつた。
(出典:村崎敏郎『手早い奴』)
・もっとそれが、旗印のように広く、堂々としているほうがいいと思う。
(出典:ルナール・ジュール『ぶどう畑のぶどう作り』)
堂々の意味②「なんの隠しだてもないさま。こそこそしないさま。」
「堂々」の二つ目の意味は「なんの隠しだてもないさま。こそこそしないさま。」です。
「正面から堂々と戦う」「白昼堂々」などのように使うのがこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・許されて出たものなら、堂々と町を歩いていてもいいはずではないか。
(出典:海野十三『火星兵団』)
・向こうとしては隠れていたつもりさえなく、むしろ堂々と生活していた。
(出典:円城塔『ぞなもし狩り』)
・あれぐらいのことをするなら、なぜ堂々と女と一緒にねないのだ。
(出典:坂口安吾『勉強記』)
・そして私はその翌日乙女を私の馬車に乗せて堂々と王宮からつれ出しました。
(出典:国枝史郎『沙漠の古都』)
・この場合、科学は本来の姿のままで、堂々と乗り出して良いのである。
(出典:中谷宇吉郎『科学と国境』)