咀嚼
「咀嚼して消化する」などのように使う「咀嚼」という言葉。
「そしゃく」と読みます。
難しい漢字でなかなか覚えずらいであろう「咀嚼」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「咀嚼」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
咀嚼に意味
咀嚼(そしゃく)には次の二つの意味があります。
1 口の中で食べ物をよくかみ砕き、味わうこと。
2 言葉や文章などの意味・内容をよく考えて理解すること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味と使い方については下記の通りです。
咀嚼の意味①「口の中で食べ物をよくかみ砕き、味わうこと」
咀嚼の一つ目の意味は「口の中で食べ物をよくかみ砕き、味わうこと」です。
分かりやすく言うと、「上下の歯で噛み合わされすり合わされて、食物を細かく砕く運動」ということになります。
「咀嚼」には、唾液の分泌を促し、虫歯や老化を防止するなど身体に良い影響があります。
使い方・例文
・一方の杏子あんずちゃんは、見なかったふりをして残ったそばを咀嚼している。
(出典:入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 01 幸せの背景は不幸』)
・それはまるで巨大な水生動物が獲物を咀嚼しているような音だった。
(出典:村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 2』)
・かなり大きな塊だったが、数回の咀嚼で簡単に飲みこんでしまった。
(出典:海月ルイ『子盗(と)り』)
・それぞれの歯を、毎日の咀嚼運動で、ごくわずかずつ磨耗させながら。
(出典:川島誠『もういちど走り出そう』)
・口の中に詰め込まれたものが咀嚼される時間は殆どなかった。
(出典:萱野葵『ダンボールハウスガール』)
咀嚼の意味②「言葉や文章などの意味・内容をよく考えて理解すること」
「咀嚼」の二つ目の意味は、「言葉や文章などの意味・内容をよく考えて理解すること」です。
この意味では、「言葉や文章などの意味を自分の中で噛み砕き、味わうこと」ということになります。
ビジネスシーンでは、こちらの意味でよく使われています。
使い方・例文
・言葉を咀嚼するようにじっと動きを止めて父は新聞をテーブルに置いた。
(出典:乙一『ZOO』)
・突然、母の口から告げられた事実を、晴美はすぐには咀嚼できなかった。
(出典:吉村達也『ついてくる』)
・新たに明らかになった諸事実を咀嚼しようとしていたのである。
(出典:フーリック/大室幹雄訳『中国湖水殺人事件』)
・俺にしては、その衝撃的なセリフを冷静に咀嚼できていたと言うべきだろう。
(出典:谷川流『涼宮ハルヒの驚愕(後)』)
・そのテキストを、今度も何秒かかけて咀嚼してから、ハルユキは呟つぶやいた。
(出典:川原礫『アクセル・ワールド 11 -超硬の狼-』)