呉越同舟
「思いがけず呉越同舟となった」などのように使う「呉越同舟」という言葉。
「呉越同舟」は、音読みで「ごえつどうしゅう」と読みます。
「呉越同舟」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「呉越同舟」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
呉越同舟の意味
「呉越同舟」には次の意味があります。
・仲の悪い者どうしが同じ所に居合わせたり、行動を共にしたりすること。また、敵対していてもいざというときには共通の困難や利害のために協力し合うこと。(出典:デジタル大辞泉)
中国の戦国時代、「呉」と「越」という国は、同等の力を持っており、長い間ライバルとして争っていました。
ある日、敵国同士の呉人と越人が同じ舟に乗り合わせた時に嵐に遭い、協力して生き延びたという話から「呉越同舟」という言葉が生まれたとされています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・少女たちが呉越同舟してめざすのは月の北極。
(出典:野尻抱介『ロケットガール(全4巻) ロケットガール 3』)
・ふたりは思いがけず、呉越同舟という格言を地でゆくことになったのである。
(出典:中村彰彦『明治忠臣蔵』)
・自動車の中はシンシンと冷えるし、呉越同舟のヤツが車の中でまで口論している。
(出典:矢口純『酒を愛する男の酒』)
・京の遊里はどこへ行っても呉越同舟で、のんびり遊んでいるように見えても、決して油断はしていなかった。
(出典:古川薫『桂小五郎(上)』)
・こうなったら呉越同舟一蓮托生だろうが。
(出典:京極夏彦『狂骨の夢』)
類語
・共同戦線(きょうどうせんせん)
意味:共通の目的や敵に対して、本来、主義・主張の異なる団体などが一致した行動をとること。(出典:大辞林 第三版)
・大同団結(だいどうだんけつ)
意味: いくつかの党派や団体が共通の目的のために、小さな意見の違いにこだわらずに一つにまとまること。 (出典:大辞林 第三版)
・結託(けったく)
意味:互いに心を通じて力を合わせること。多く、不正を行うためにぐるになることにいう。(出典:大辞林 第三版)
・糾合(きゅうごう)
意味:ある目的のもとに人々を寄せ集め、まとめること。(出典:デジタル大辞泉)
・共闘(きょうとう)
意味:複数の組織・団体が共同して闘争すること。(出典:デジタル大辞泉)