古拙
「古拙な作品」などのように使う「古拙」という言葉。
「古拙」は、音読みで「こせつ」と読みます。
「古拙」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「古拙」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
古拙の意味
「古拙」には次の意味があります。
・古風で技巧的にはつたないが、素朴で捨てがたい味わいのあること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、「古拙」は「技術的には拙いが、古風で味わい深いこと」を意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・だが、こうした古拙味の彫刻ばかりに気をとられていられなかった。
(出典:松本清張『赤い氷河期』)
・郵便ポストに入っていたパンフレットの表紙、あれは古拙な絵だった。
(出典:飛鳥部勝則『バベル消滅』)
・然しその演技は豫想した程古拙でもなくまた土の匂ひも淡かつた。
(出典:竹内勝太郎『淡路人形座訪問』)
・訳文の古拙なせいばかりでも無いと思う。
(出典:太宰治『パウロの混乱』)
・玄室の側壁・天井に、狩猟をモチーフとする古拙な朱色の絵画がえがかれている。
(出典:金達寿『日本の中の朝鮮文化 12 陸奥・出羽ほか』)
類語
・古風(こふう)
意味:古い習慣や流儀。昔風の考え方や、やり方。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・古格(こかく)
意味:古くからの格式。また、古来の方法、形式。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・古雅(こが)
意味:古風で優雅なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・古体(こたい)
意味:古い時代のものであること。古めかしいこと。また、そのさま。古風。昔風。(出典:デジタル大辞泉)
・アルカイック
意味:古風で素朴なさま。特に初期ギリシャ美術にみられる若々しさと原始性の残る芸術様式をいう。(出典:デジタル大辞泉)