叙景
「叙景が良くできている」などのように使う「叙景」という言葉。
「叙景」は、音読みで「じょけい」と読みます。
「叙景」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「叙景」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
叙景の意味
「叙景」には次の意味があります。
・風景を文章に書き表すこと。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、「叙景」は「文章として景色を述べること」を意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この傾向が『枕草紙』の叙景にはっきり見えはじめることは前に触れた。
(出典:風巻景次郎『中世の文学伝統』)
・この小犬は二人の長い月日を叙景的に繋ぎ合せる深い因縁をもつてゐた。
(出典:田村俊子『木乃伊の口紅』)
・一 小説は人物の描写叙事叙景何事も説明に傾かぬやう心掛くべし。
(出典:永井荷風『小説作法』)
・そういう風に、叙景から抑揚をつけて人物描写に入ったんではないかとおもうんだがな。
(出典:矢野誠一『志ん生のいる風景』)
・だが、この一見単純な叙景の裏に、もうひとつのことばが織りなす風景がみえていたとしたらどうだろう。
(出典:藤村由加『人麻呂の暗号』)
類語
・叙情(じょじょう)
意味:自分の感情を述べ表すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・叙事(じょじ)
意味:事実・事件をありのままに客観的に述べしるすこと。また、その述べしるしたもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・光景(こうけい)
意味:ある場面の具体的なありさま。情景。(出典:デジタル大辞泉)
・情景(じょうけい)
意味:心にある感じを起こさせる光景や場面。(出典:デジタル大辞泉)
・シーン
意味:光景。風景。情景。(出典:デジタル大辞泉)