一抹
「一抹の不安」などのように使う「一抹」という言葉。
「一抹」は、音読みで「いちまつ」と読みます。
「一抹」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一抹」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
一抹の意味
「一抹」には次の意味があります。
・ほんのわずか。かすか。(出典:デジタル大辞泉)
「一抹の不安」で、「ほんの少しの不安」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私は感謝したい気持で一杯だったが、やはり一抹の寂しさが残り続けた。
(出典:森瑤子『さよならに乾杯』)
・捜査を間違えたのではないかと、一抹の不安が心のなかでうずいていた。
(出典:ステーマン作/松村喜雄訳『マネキン人形殺害事件』)
・以前の父の目には悲しみがあったが、いまはそんなものは一抹もない。
(出典:森村誠一『致死家庭』)
・私は自分の死が一抹の泡にすぎない大海のような死に抵抗しつづけた。
(出典:ミラー/大久保康雄訳『南回帰線(上)』)
・遠くから見ると吉野紙のようでもありまた一抹の煙のようでもある。
(出典:寺田寅彦『烏瓜の花と蛾』)
類語
・微か(かすか)
意味:物事の度合が、知覚をはたらかせたり記憶をたぐったりすることによって、かろうじて認められる程度であるさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・少し(すこし)
意味:数量・程度などがわずかであるさま。ちょっと。(出典:デジタル大辞泉)
・僅か(わずか)
意味:数量・程度・価値・時間などがほんのすこしであるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・一脈(いちみゃく)
意味:少し。わずか。(出典:デジタル大辞泉)
・ちょっと
意味:物事の数量・程度や時間がわずかであるさま。すこし。(出典:デジタル大辞泉)