刺し子
「刺し子の布地」などのように使う「刺し子」という言葉。
「刺し子」は、訓読みで「さしこ」と読みます。
「刺し子」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「刺し子」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
刺し子の意味
「刺し子」には次の意味があります。
・綿布を重ね合わせて一針抜きに細かく刺し縫いにすること。また、そのように縫ったもの。丈夫なので柔道着・剣道着などに用いる。(出典:デジタル大辞泉)
刺し子を手芸の一分野として楽しむこともあります。刺し子生地は幾何学模様の糸の様子が美しく、かつ丈夫で実用的。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・袖なしの刺し子の半纏からにょっきりとのぞく腕が、丸太のように太い。
(出典:宮部みゆき 『孤宿の人 下』)
・この刺し子を縫ったのは、あの熱田で見た岩松の妻なのだと、音吉は思う。
(出典:三浦綾子 『海嶺 中』)
・みんな刺し子縫いをしたりドレスをつくったりしてるだよ。
(出典:スタインベック /大久保康雄訳『怒りの葡萄』)
・刺し子も雨に強いが、ラッコ皮の袖なしにはかなわない。
(出典:上西晴治 『十勝平野 上』)
・刺し子をまとって用意をしていたいなせの若者が、どやどやと金助の家から飛び出しました。
(出典:佐々木味津三 『右門捕物帖』)
・第二のめずらしいおとずれは、刺し子装束に身をかためた土地の火消し人足が、手押しの竜吐ポンプをひいてやってきたことであった。
(出典:ハーン /平井呈一訳『東の国から』)
・寒さに耐えるためこれらの麻布は重ねて刺し子にしたり、布団の中には干草を詰めたりなどの工夫が見られた。
・少ない予算でやりくりし、藍の暖簾をかけ、厨房を広げ、壁をボード貼りから土壁に、椅子は革張りのスツールから刺し子の座布団を敷いた木製のものにした。
(出典:平安寿子 『くうねるところすむところ』)