凌辱
「武力による凌辱を受ける」などのように使う「凌辱」という言葉。
「凌辱」は、音読みで「りょうじょく」と読みます。「陵辱」とも表記できます。
「凌辱」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「凌辱」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
凌辱の意味
「凌辱」には次の二つの意味があります。
1 相手を傷つけるような言動をして、恥をかかせること。
2 暴力で女性を犯すこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
凌辱の意味①「相手を傷つけるような言動をして、恥をかかせること。」
「凌辱」の一つ目の意味は「相手を傷つけるような言動をして、恥をかかせること。」です。
一言で言い換えると、人の尊厳を傷つけることです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一方を凌辱することなくして一方を復讐することがどうしてできよう。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・ぼくは自分に加えられたすべての凌辱に対して軽蔑をもって復讐するのです!
(出典:ドストエフスキー/工藤精一郎訳『未成年(下)』)
・彼らがそうして彼の好きな作品をほめると、彼は自分が凌辱されたような気がした。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・後宮が犯されるということは国家が凌辱されることと同じである。
(出典:酒見賢一『後宮小説』)
類語
・恥辱(ちじょく)
意味:体面・名誉などを傷つけること。はずかしめ。(出典:デジタル大辞泉)
・屈辱(くつじょく)
意味:屈服させられて恥ずかしい思いをさせられること。はずかしめられて、面目を失うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・汚辱(おじょく)
意味:地位・名誉などをけがされることによる、はずかしめ。(出典:デジタル大辞泉)
・侮辱(ぶじょく)
意味:相手を軽んじ、はずかしめること。見下して、名誉などを傷つけること。(出典:デジタル大辞泉)
凌辱の意味②「暴力で女性を犯すこと。」
「凌辱」の二つ目の意味は「暴力で女性を犯すこと。」です。
一言で言い換えると、強姦や暴行のことです。
暴力で女性を押さえつけて無理やり犯すことを言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・当時のソ連軍の女性への凌辱は、想像を超えるものであったと言われる。
(出典:三浦綾子『銃口』)
・まさしく、僕はいま夫というより、一匹の雄になって、月子を凌辱する。
(出典:渡辺淳一『シャトウ ルージュ』)
・Rさんの恋人か娘さんをRさんの目の前で凌辱しているような気になったからだ。
(出典:永沢光雄『風俗の人たち』)
・そして、ほかの女たちにしたように、その日のうちに何度も繰り返し凌辱した。
(出典:大石圭『飼育する男』)
類語
・強姦(ごうかん)
意味:暴力・脅迫などによって、強制的に婦女を犯すこと。暴行。(出典:デジタル大辞泉)
・暴行(ぼうこう)
意味:力ずくで女性を犯すこと。強姦。(出典:デジタル大辞泉)
・レイプ(rape)
意味:「強姦」に同じ。(出典:デジタル大辞泉)
・強淫(ごういん)
意味:「強姦」に同じ。(出典:デジタル大辞泉)