先立ち
「先立ちしてやってくる」などのように使う「先立ち」という言葉。
「先立ち」は、訓読みで「さきだち」と読みます。
「先立ち」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「先立ち」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
先立ちの意味
「先立ち」には次の意味があります。
・先に立って人を導くこと。行列の先頭に立つこと。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
「先立ちしてやってくる」は「先頭に立ってやってくる」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この決心に先立ち、この決心に伴った事情を、これで君に言って聞かせた。
(出典:森鴎外訳『諸国物語(上)』)
・此決心に先立ち、此決心に伴つた事情を、これで君に言つて聞かせた。
(出典:レニエ・アンリ・ド『不可説』)
・さすがいとしい顔見ては、耻しさのみ先立ちて、今まで何も思はぬ振り。
(出典:清水紫琴『したゆく水』)
・犬はかれに先立ちて街を駆けのぼり早くかなたにありて青年を待てり。
(出典:国木田独歩『わかれ』)
・絶望的な事態になってしまったが、おかげで恐怖が先立ち、ひどくあわてていた。
(出典:ガボリオ/松村喜雄訳『ルコック探偵(上)』)
類語
・最初(さいしょ)
意味:いちばんはじめ。(出典:デジタル大辞泉)
・手始め(てはじめ)
意味:物事にとりかかる第一歩。しはじめ。(出典:デジタル大辞泉)
・優先(ゆうせん)
意味:他をさしおいて先にすること。他のものより先に扱うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・出だし(でだし)
意味:物事の始まったばかりのところ。すべり出し。また、出始め。(出典:デジタル大辞泉)
・滑り出し(すべりだし)
意味:物事の始め。活動の始まり。出だし。(出典:デジタル大辞泉)