偲ぶ
「故人を偲ぶ会」などのように使う「偲ぶ」という言葉。
「偲ぶ」は、訓読みで「しのぶ」と読みます。
「偲ぶ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「偲ぶ」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
偲ぶの意味
「偲ぶ」には次の意味があります。
・過ぎ去った物事や遠く離れている人・所などを懐かしい気持ちで思い出す。懐しむ。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言えば「過去や遠くの人や場所などを懐かしく思う」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・母のおもかげを偲ぶごとに涙が流れた。
(出典:岡本綺堂『中国怪奇小説集』)
・私たちはしばらくその場に残って入星さんを偲んで語り合った。
(出典:藤原作弥『聖母病院の友人たち ―肝炎患者の学んだこと―』)
・箱に入ったままのマフラーは、今も私の家でひっそりと主を偲んでいる。
(出典:田丸公美子『シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ』)
・充分に細くなった川にも工事の手が入って古代を偲ぶのはむつかしい。
(出典:阿刀田高『楽しい古事記』)
・たんに昔のことが偲ばれるというような思いだけではなかっただろう。
(出典:藤村由加『人麻呂の暗号』)
類語
・回想(かいそう)
意味:過ぎ去ったことを思い起こすこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・懐かしむ(なつかしむ)
意味:なつかしく思う。なつかしがる。(出典:デジタル大辞泉)
・追想(ついそう)
意味:過去を思い出してしのぶこと。(出典:デジタル大辞泉)
・追懐(ついかい)
意味:過ぎ去ったことを思い出して、なつかしむこと。(出典:デジタル大辞泉)
・思い返す(おもいかえす)
意味:過ぎ去ったことを思い出す。改めて考える。(出典:デジタル大辞泉)