促す
「参加するように促す」などのように使う「促す」という言葉。
「促す」は、訓読みで「うながす」と読みます。
「促す」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「促す」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
促すの意味
「促す」には次の意味があります。
・物事を早くするようにせきたてる。また、ある行為をするように仕向ける。催促する。(出典:デジタル大辞泉)
分かりやすくいうと、「物事などが速やかになるように働きかけること」という意味になります。相手に対して変化を仕向ける場面で使われる言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・さうして私の心もまた何ものかに促されるやうにその路を急ぐのである。まことに、一つの強い感懐は、いつもこのやうに一つの方角にむかつて私の心を促したてる。
(出典:三好達治『柘榴の花』)
・それに促されて、少年もその父もその姉もおなじく急いで帰ろうとする。
(出典:岡本綺堂『島原の夢』)
・おかみさんは息子のような従業員に促されて、急に安心したようだった。
(出典:宮部みゆき『模倣犯-下』)
・ファン・システンスは菫色の服を着た若者に促されて自分も腰を下ろした。
(出典:アレクサンドル・デュマ/横塚光雄訳『黒いチューリップ』)
・笑うように促されたのか、必死に口角を持ち上げているのが可愛かった。
(出典:三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 3 〜栞子さんと消えない絆〜』)
・促されて、歩き出す前に、彼は意を決したような顔で夕子を振り向いた。
(出典:夏樹静子『女検事 霞夕子 螺旋階段をおりる男』)
・三度目に吉兵衛と同行すると、家にあがって主人の帰宅を待つよう促された。
(出典:松井今朝子『辰巳屋疑獄』)
・けれども、アメリカが日本の開国を促そうとしたは決して一朝一夕のことではないらしい。
(出典:島崎藤村『夜明け前』)