何卒
「何卒お願い致します」などのように使う「何卒」という言葉。
「何卒」は、訓読みで「なにとぞ」と読みます。
「何卒」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「何卒」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
何卒の意味
「何卒」には次の意味があります。
・相手に強く願う気持ちを表す。どうぞ。どうか。(出典:デジタル大辞泉)
どうにかして希望の様にしてほしい、またはしたいという意味を表します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私は何不自由なく幸福に暮して居りますから、何卒私の事は御心配なく。
(出典:知里幸恵『手紙』)
・だから秋に又ユリもゆっくりということは何卒保留しておいて下さい。
(出典:宮本百合子『獄中への手紙』)
・そうして何卒これまでのようになっていてくれというの。
(出典:近松秋江『別れたる妻に送る手紙』)
・何卒もう一度師団長に私の案を申上げて御許しを願いたい。
(出典:五味川純平『ガダルカナル』)
・明日は復活祭で御座いますから、何卒あと二三の質問を御許し願ひたいものです。
(出典:牧野信一『痴酔記』)
類語
・是非(ぜひ)
意味:心をこめて、強く願うさま。なにとぞ。(出典:デジタル大辞泉)
・なにがなんでも
意味:どんなことがあっても、絶対に。一つの意志を必ず貫こうとする決意を表わす。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・如何にしても(いかにしても)
意味:願望を表わす。どうかしてまあ。なんとしても。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・是が非でも(ぜがひでも)
意味:善悪にかかわらず。なにがなんでも。(出典:デジタル大辞泉)
・どうぞ
意味:ある状態や行為を実現させたいという気持ちを表す。なんとか。どうにか。(出典:デジタル大辞泉)