伝播
「情報が伝播する」などのように使う「伝播」という言葉。
「伝播」は、音読みで「でんぱ」と読みます。
「伝播」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「伝播」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
伝播の意味
「伝播」には次の二つの意味があります。
1 伝わり広まること。広く伝わること。
2 波動が媒質の中を広がっていくこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
伝播の意味①「伝わり広まること。広く伝わること。」
「伝播」の一つ目の意味は「伝わり広まること。広く伝わること。」です。
わかりやすく言うと「物事が大勢に伝わること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・二つの党が互いに摩擦し合うことで民権運動が広く伝播する危険である。
(出典:松本清張『象徴の設計 新装版』)
・静かなさざ波のように、多くの人々の間を静かな意思の力が伝播していく。
(出典:鎌池和馬『新約 とある魔術の禁書目録 第12巻』)
・此の如き場合に於ては、無関係的発生説と伝播説との二様の解釈法あり。
(出典:高木敏雄『比較神話学』)
・この文化についてもう一つ興味深いのは、文化の伝播の次なる展開である。
(出典:竹内久美子『そんなバカな! 遺伝子と神について』)
類語
・普及(ふきゅう)
意味:広く行き渡ること。また、行き渡らせること。(出典:デジタル大辞泉)
・流布(るふ)
意味:世に広まること。広く世間に行き渡ること。(出典:デジタル大辞泉)
・伝搬(でんぱん)
意味:伝わること。また、伝えること。(出典:デジタル大辞泉)
・展延(てんえん)
意味:薄く広げのばすこと。また、広がりのびること。(出典:デジタル大辞泉)
伝播の意味②「波動が媒質の中を広がっていくこと。」
「伝播」の二つ目の意味は「波動が媒質の中を広がっていくこと。」です。
わかりやすく言うと「物理的に電波などが遠くまで伝わること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・様々な神示の宇宙メッセージが伝播して毒となるのをやめさせてください。
(出典:牧野修『アロマパラノイド 偏執の芳香』)
・伝承という時間の縦軸だけでなく、伝播という空間の横軸も意識したい。
(出典:浜崎達也『絶対少年 ~神隠しの秋~穴森 携帯版小説 第1-6章』)
・日本から始まった恐慌は電子の網を伝って瞬時に世界中の市場に伝播した。
(出典:池上永一『シャングリ・ラ 下』)
・伝えた力が伝播するうちにその大部分はその金属の歪みや震えに吸収されてしまう。
(出典:林亮介『和風Wizardry純情派 1』)
類語
・伝導(でんどう)
意味:熱や電気が物体内を移動する現象。(出典:デジタル大辞泉)
・送信(そうしん)
意味:信号を送ること。特に、電気信号を遠方に送ること。(出典:デジタル大辞泉)
・透過(とうか)
意味:光や放射線などが物体の内部を通り抜けること。(出典:デジタル大辞泉)
・伝送(でんそう)
意味:次々に送り伝えること。電気信号を伝えることにもいう。(出典:デジタル大辞泉)