仲介
「仲介業者」などのように使う「仲介」という言葉。
「仲介」は、音読みで「ちゅうかい」と読みます。
「仲介」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「仲介」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
仲介の意味
「仲介」には次の二つの意味があります。
1 当事者双方の間に立って便宜を図り事をまとめること。
2 第三者が紛争当事者の間に立って、紛争の解決に努めること。国際法上では「居中調停」という。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
仲介の意味①「当事者双方の間に立って便宜を図り事をまとめること」
「仲介」の一つ目の意味は「当事者双方の間に立って便宜を図り事をまとめること」です。
とくに、直接話し合うことが困難である当事者同士の間に入ること、という意味で使われます。
例えば「不動産仲介業者」などはこの意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・熊しか通らぬような奥地に立派すぎるアスファルト道路ができる。得をするのは土木業者と仲介をした政治家のみというありさまである。
(出典:水木楊『田中角栄 その巨善と巨悪』)
・即ち彼は自白したのではなく、懺悔をしたのです。神に対して告白する所を私を仲介者に置いたのに過ぎないのです。
(出典:甲賀三郎『支倉事件』)
・、滋子の求める賃貸マンションの仲介管理はしたことがないという。
(出典:宮部みゆき『模倣犯-下』)
類語
・仲立ち、中立ち(なかだち)
意味:中に立つこと。二者の間に立って取り次いだり、関係を結ばせたりすること。また、その人。特に、男女の仲をとりもち世話をすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・斡旋(あっせん)
意味:間に入って双方をうまく取り持つこと。(出典:Weblio辞書)
・周旋(しゅうせん)
意味:売買・交渉などで、当事者間に立って世話をすること。(出典:デジタル大辞泉)
仲介の意味②「第三者が紛争当事者の間に立って、紛争の解決に努めること」
「仲介」の二つ目の意味は「第三者が紛争当事者の間に立って、紛争の解決に努めること」です。
1つ目の意味と同様に当事者間に入るのですが、何らかの理由で争っている者同士の争いをやめさせるために間に入る場合はこちらの意味となります。
法律用語としても使われています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それはドイツとの和解を日本が仲介しつつあるからではないかと思われた。
(出典:伊藤整『太平洋戦争日記(一)』)
・対日参戦を狙っているソ連が和平の仲介をするはずはなかったろう。
(出典:御田重宝『特攻』)
・幕府の第一回の長州征伐は、西郷の仲介によって、ひとまず中止となった。
(出典:池波正太郎『人斬り半次郎 幕末編』)
類語
・調停(ちょうてい)
意味:対立する両者の間にはいって争いをやめさせること。中に立って双方をまるくおさめること。なかなおりさせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・仲裁(ちゅうさい)
意味:対立し争っているものの間にはいっていろいろとりなし、双方を仲なおりさせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・取り成し(とりなし)
意味:対立する二者の間に入って、うまく折り合いをつけること。仲裁。また、仲介。(出典:デジタル大辞泉)
・介入(かいにゅう)
意味:当事者以外の者が入り込むこと。争いやもめごとなどの間に入って干渉すること。(出典:デジタル大辞泉)