事実は小説よりも奇なり
「正に、事実は小説よりも奇なり、だな」などのように使う「事実は小説よりも奇なり」という言葉。
「事実は小説よりも奇なり」は、「じじつはしょうせつよりもきなり」と読みます。
「事実は小説よりも奇なり」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「事実は小説よりも奇なり」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
事実は小説よりも奇なりの意味
「事実は小説よりも奇なり」には次の意味があります。
・世の中の実際の出来事は、虚構である小説よりもかえって不思議である。英国の詩人バイロンの言葉。(出典:デジタル大辞泉)
人がつくった物語である小説よりも、実際に起こる出来事の方がかえって不思議なものである、という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・事実は小説よりも奇なり、ということは、たしかに有り得る。
(出典:久生十蘭『金狼』)
・しかし、事実は小説よりも奇なりで、五分後、私は、なんとそのチョビ髭社長に雇われることになっていました。
(出典:吉村達也『ついてくる』)
・「事実は小説よりも奇なり」ということばがあるが、これもまさにそれに近いものというべきことであった。
(出典:金達寿『日本の中の朝鮮文化 1』)
・ねえ、金田一さん、いままであなたの扱った事件のうちで、そういうふうな、事実は小説よりも奇なりというような事件はありませんか。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル2] 横溝正史 「本陣殺人事件」』)
・事実は小説よりも奇なりというが、これを又、一生ケンメイに報道している例えば朝日新聞の朝五時十五分脱出、墓参の記というあたり、読んでごらんなさい。
(出典:坂口安吾『安吾巷談』)
類語
・奇妙(きみょう)
意味:普通にはない、不思議なこと。珍しいこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・事実(じじつ)
意味:実際にあった事柄。現実にある事柄。真実のこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・奇(くすし)
意味:自然的な霊異をつつしみうやまう気持でいい表わす語。不可思議である。神秘的である。霊妙である。あやしい。くし。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・珍奇(ちんき)
意味:めずらしく奇妙なこと。普通とはちがってめったにない変わったさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・珍妙(ちんみょう)
意味:めずらしく、すぐれていること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)