中秋の名月
「中秋の名月を眺める」などのように使う「中秋の名月」という言葉。
「中秋の名月」は、「ちゅうしゅうのめいげつ」と読みます。
「中秋の名月」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「中秋の名月」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
中秋の名月の意味
「中秋の名月」には次の意味があります。
・十五夜の月。陰暦8月15日の夜に見える月で、一年で最も美しいとされ、月見をする。(出典:デジタル大辞泉)
旧暦の8月15日に見られる月のことで、湿気が減り、空気が澄んでくることから1年で一番美しい月と言われています。
また、月が出る高さも、夏は高すぎ冬は低すぎるのが、この時期は低すぎず高すぎず、地上から見上げるのにちょうどよい高さで出ています。
そのことから、「中秋の名月」には古くからお月見をする習慣があります。
「中秋の名月」は月の満ち欠けを基準にした旧暦に基づいているのに対し、新暦は太陽暦に基づき決まるので毎年日付が変わり、おおよそ9月~10月の間になります。
基本的には満月を見られるのですが、年によって実際の月齢とずれて、満月ではない年もあります。
旧暦の15日は毎月来るものなので「十五夜」と呼ぶことは正確には異なりますが、「中秋の名月」のことを指して言うことが一般化しています。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・中秋の名月にはまだ少し早いけれども、二階から眺める月は最高だというのです。
(出典:林真理子『初夜』)
・明日が中秋の名月という日に、一人の男が「かわせみ」へやって来た。
(出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 20 お吉の茶碗』)
・今年、中秋の名月を見ながら一献差し上げたいということで呉氏を招いた。
(出典:倉橋由美子『倉橋由美子の怪奇掌篇』)
・「こんな雨じゃ、今年の中秋の名月は見られそうにないわね」 私は残念そうに言ったが実のところ少し安心していた。
(出典:ZUN『東方儚月抄 第2話 「三千年の玉」』)
・京都府立植物園は中秋の名月の日、年に一度だけ夜間開放を行います。
(出典:嶽本野ばら『それいぬ 正しい乙女になるために』)
類語
・十五夜(じゅうごや)
意味:陰暦8月15日の夜。中秋の名月の夜で、酒宴を催し、詩歌を詠む習わしがあり、また、月見団子・芋・豆・栗などを盛り、ススキや秋の草花を飾って月を祭る。(出典:デジタル大辞泉)
・初名月(はつめいげつ)
意味:陰暦8月15日夜の月。9月13日の後の月に対していう。中秋の名月。(出典:デジタル大辞泉)
・芋名月(いもめいげつ)
意味:陰暦八月十五夜の月。季節のものとしてサトイモの新芋を供えたところからいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・栗名月(くりめいげつ)
意味:陰暦九月十三夜の月。この夜の月見に栗を供えるところからいう。後(のち)の月。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・豆明月(まめめいげつ)
意味:陰暦九月十三夜の月。また、その日の月見行事。季節の風物として、枝豆を供えるところからいう。後(のち)の月。十三夜。(出典:精選版 日本国語大辞典)