不敵
「不敵な笑み」などのように使う「不敵」という言葉。
「不敵」は、音読みで「ふてき」と読みます。
「不敵」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「不敵」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
不敵の意味
「不敵」には次の意味があります。
・ 敵を敵とも思わないこと。大胆でおそれを知らないこと。乱暴で無法なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
「不敵な笑み」であれば、「おそれを知らず、余裕を感じるような笑み」のことです。また、そのような表情から、人知れず策を企てていそうな笑みとしても使われる場合があります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・開かれた木板の扉の向こうでは、意外な男が不敵な笑みで出迎えていた。
(出典:佐藤賢一『王妃の離婚』)
・しかしお気づきでしょうが、この子には一点ど不敵なところがあります。
(出典:藤沢周平『回天の門』)
・不敵な微笑を浮かべたまま、空気を見るように人々を見ながら通りすぎる。
(出典:海音寺潮五郎『平将門 上巻』)
・しかし一歩もあとへは引かず、さげすむような不敵な態度をとっていた。
(出典:エディングス『マロリオン物語10 宿命の戦い』)
・先生はその不敵さ、その烈しさを内面に集中することに努められている。
(出典:三木清『西田先生のことども』)
・彼女はブラシダスと視線が合ったとたん、ニヤリと不敵な笑い方をした。
(出典:A・バートラム・チャンドラー『銀河辺境シリーズ(全25巻) 5 惑星スパルタの反乱』)
・なんでこの尊氏の命を狙うなどの不敵を抱いてここへ忍んできたものか。
(出典:吉川英治『私本太平記』)
・彼の不敵の魂は一旦こうと決心したら容易に動かぬのである。
(出典:甲賀三郎『支倉事件』)