不世出
「この才能は不世出のものだ」などのように使う「不世出」という言葉。
「不世出」は、音読みで「ふせいしゅつ」と読みます。
「不世出」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「不世出」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
不世出の意味
「不世出」には次の意味があります。
・世にまれなこと。まれにしか世に現われないほど優れていること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
不世出とは、文字通り「世に出ることがない」という意味です。
つまり、「極めてまれにしか世に現れないほど優れた人」に対して使われます。
時間に表すと「千年に一人」というレベルだそうです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あの娘なら、育て方によっては、不世出の大歌手に育ちそうな気がする。
(出典:今邑彩『暗黒祭(「蛇神」シリーズ最終巻)』)
・おまえと戦った連中がいってたが、おまえは不世出の剣士だそうだな。
(出典:バローズ『火星シリーズ8 火星の透明人間』)
・家康の長男三郎信康は不世出の武将であると同時に心優しい男だった。
(出典:隆慶一郎『一夢庵風流記』)
・百人に一人、いや千年に一人出るか出ないかの、不世出の奇才にございます。
(出典:酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明』)
・さて、そろそろ、この不世出の作家の生涯を閉じるときが来たようだ。
(出典:縄田一男『捕物帳の系譜』)
類語
・一人物(いちじんぶつ)
意味:見識のある、ひとかどの人物。(出典:精選版 日本国語大辞典「)
・傑物(けつぶつ)
意味:傑出した人物。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・傑士(けっし)
意味:際立ってすぐれた人物。(出典:デジタル大辞泉)
・麒麟児(きりんじ)
意味:才知、技芸に特にすぐれた年若い者。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・敏腕家(びんわんか)
意味:敏腕な人。うできき。(出典:精選版 日本国語大辞典)