万里一空
「万里一空の境地に至る」などのように使う「万里一空」という言葉。
「万里一空」は、音読みで「ばんりいっくう」と読みます。
「万里一空」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「万里一空」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
万里一空の意味
「万里一空」には次の意味があります。
・精神の修養、身体の鍛錬を極めて、心に迷いのないこと。(出典:デジタル大辞泉)
「万」には「すべてのこと、あらゆること」という意味があり、「万里」は「この世のすべての理」を表します。
一空は「一つの空(の下)」という意味です。
「万里一空」は「すべての理はたった一つの空の下にある」という意味で、もともと「物事を冷静に捉える心」を意味する言葉です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・柳生派ではそれを「無刀」といい、武蔵は「万里一空」といったのである。
(出典:吉川英治『随筆 宮本武蔵』)
・兵法の事総じて、万里一空、ことばにては云ひ難し 究極は実にここへ行って突き当るのだ。
(出典:吉川英治『随筆 宮本武蔵』)
・白面の剣士の背後に、世界を万里一空に容いれ、我もなく敵もなく天地をささげる見地を自負する新免武蔵の巨影を視る思いがした。
(出典:柴田錬三郎『赤い影法師』)
類語
・一心不乱(いっしんふらん)
意味:ただ一つのことに心を集中して、他のことに注意を奪われないでいる様子。(出典:四字熟語を知る辞典)
・初志貫徹(しょしかんてつ)
意味:最初に思い立ったこころざしを最後までつらぬきとおすこと。(出典:四字熟語を知る辞典)
勇往邁進(ゆうおうまいしん)
意味:目的・目標をめざして勇ましく、まっしぐらに突き進むこと。(出典:四字熟語を知る辞典)
・身命を賭す(しんめいをとす)
意味:命を投げ出して努力する。(出典:デジタル大辞泉)
・心血を注ぐ(しんけつをそそぐ)
意味:全精神、全肉体をこめて物事を行なう。心身のありったけを尽くして物事にあたる。(出典:精選版 日本国語大辞典)