一興
「誘いに乗ってみるのも一興だ」などのように使う「一興」という言葉。
「一興」は、音読みで「いっきょう」と読みます。
「一興」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一興」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
一興の意味
「一興」には次の意味があります。
・ちょっとしたおもしろみ。それなりの楽しみ。(出典:デジタル大辞泉)
大きな期待はないけれども、多少の面白さがありそうなことを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・世上噂されているタイプの人間の実物に出会うのもまた一興ではないか。
(出典:モーム/篠原慎訳『諜報員アシェンデン』)
・彼らがどんな顔をして坐っているか、じっくりと眺めて見るのも一興だな。
(出典:中村正『元首の謀叛』)
・どこがおかしいか、変なところをかぞえあげてみるのも一興であろう。
(出典:筒井康隆『不良少年の映画史 PART2』)
・密告者が彼女だとしたら、彼女とブリッジをやるのもまた一興ではないか。
(出典:モーム/篠原慎訳『諜報員アシェンデン』)
・越後の雪国で一冬過ごすのも一興だと思い直して、ついてきたのだった。
(出典:坂東眞砂子『山妣』)
類語
・悦楽(えつらく)
意味:物事に対して喜び楽しむこと。また、心を快感で楽しませること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・感興(かんきょう)
意味:何かを見たり聞いたりして興味がわくこと。また、その興味。(出典:デジタル大辞泉)
・愉楽(ゆらく)
意味:深い喜びを味わうこと。心から楽しむこと。悦楽。(出典:デジタル大辞泉)
・興ずる(きょうずる)
意味:おもしろがって熱中する。楽しんで愉快に過ごす。(出典:デジタル大辞泉)
・逸楽(いつらく)
意味:気ままに遊び楽しむこと。(出典:デジタル大辞泉)