一縷
「一縷の望み」などのように使う「一縷」という言葉。
「一縷」は、音読みで「いちる」と読みます。
「一縷」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一縷」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
一縷の意味
「一縷」には次の意味があります。
・ 一本の糸すじ。また、そのように細くわずかなもの。転じて、きわめてわずかなつながり、おぼつかないさま、絶えようとするさまなどのたとえにも用いる。(精選版 日本国語大辞典)
わかりやすく言うと「細糸一本のように、極めてわずかで今にも絶えそうな様子」という意味です。
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
使い方・例文
・どこかにそっと一縷の望みを残しておきたいという人間の弱点であった。
(出典:本庄陸男『石狩川』)
・僕としては一縷の希望をもってこの書物を結びたかった。
(出典:モーム/中野好夫訳『月と六ペンス』)
・一縷の期待をかけていた一九九九年に何かが起こるわけでもなかったしな。
(出典:谷川流『1 涼宮ハルヒの憂鬱』)
・米国民がついてゆかぬかも知れぬという一縷の望みあり。
(出典:豊田穣『松岡洋右――悲劇の外交官――(下)』)
・こんな子にさえ一縷の希望を繋いで死んで行ってくれた。
(出典:木下尚江『幸徳秋水と僕』)
類語
・一筋(ひとすじ)
意味:糸や竹などのような細く長いものの一本。(出典:デジタル大辞泉)
・一条(いちじょう)
意味:ひと筋。1本。(出典:デジタル大辞泉)
・ひとつまみ
意味:指先で一度つまむこと。また、その程度のわずかな量。(出典:デジタル大辞泉)
・微々(びび)
意味:分量などがごくわずかであるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・毛筋(けすじ)
意味:きわめて小さい物事のたとえ。(出典:デジタル大辞泉)