ホメオスタシス
「ホメオスタシスの習性」などのように使う「ホメオスタシス」という言葉。
英語では「homeostasis」と表記します。
「ホメオスタシス」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ホメオスタシス」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
ホメオスタシスの意味
「ホメオスタシス」には次の意味があります。
・生体が外的および内的環境の変化を受けても、生理状態などを常に一定範囲内に調整し、恒常性を保つこと。また、その能力。神経やホルモンの働きによる。米国の生理学者キャノンが提唱。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言うと、外界に変化が起きても、生体は、体温や、血量など一定に保とうとします。体温が30℃まで下がることもなければ、血の量が多くなり体外に飛び出すこともありません。その調整能力を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・そして、そうやってホメオスタシスを保ち、いつも安定した力を発揮してこそ、女は自らを美しく輝かせることができる。
(出典:姫野友美『女はなぜ突然怒り出すのか?』)
・生命の本質が変化にあるといっても、それはホメオスタシスによって維持される安定性があってのことであって、全く無軌道な変化が生命にとって有益なはずもないのです。
(出典:茂木健一郎『「脳」整理法』)
・いわば、ここのわれわれがやっているのはホメオスタシス的な事業だよ、デッカード。
(出典:ディック/朝倉久志訳『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』)
・先に述べた「ホメオスタシス」が崩れ、微妙な均衡の上で成り立っていた自律神経や免疫のバランスも大きく崩れることになる。
(出典:姫野友美『女はなぜ突然怒り出すのか?』)
・多くの人が、幸福になれるはずなのに、変革を恐れて三日坊主になってしまうのも、一種のホメオスタシスが作用しているからではないだろうか。
・生きとし生けるものにとっての究極の不幸ともいえる「死」は、生を維持してきたホメオスタシスが失われ、無秩序が増大するプロセスです。
(出典:茂木健一郎『「脳」整理法』)
・だから、「ホメオスタシス」といって、ホルモンや自律神経、免疫などの具合を調整し、いつも変わらずに安定した力を発揮できるコントロール・システムがうまく作動するようにできている。
(出典:姫野友美『女はなぜ突然怒り出すのか?』)
・もともと、この世に確実なものはなく、ポジティヴな感情も根拠がないものであるとするならば、根拠のない自信に支えられて「私」の感情のホメオスタシスを保っていくことで、ネガティヴな感情も生きてくることがあるのでしょう。
(出典:茂木健一郎『「脳」整理法』)