ホムンクルス
「人に作られたホムンクルス」などのように使う「ホムンクルス」という言葉。
英語では「homunculus」と表記します。
「ホムンクルス」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ホムンクルス」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
ホムンクルスの意味
「ホムンクルス」には次の意味があります。
・ラテン語homo(人間)の指小形で〈小さな人〉の意。解剖実験用の人体模型を指すほか、とりわけ魔術師が人工的に造り出すと考えられた人造人間に対して使われる。その方法に関するもっとも有名な記述は、パラケルスス著とされる《物の本性について》に見られる。人間の精液を蒸留瓶に密閉し腐敗させた後、馬の胎内と同温度にして人間の血でこれを養うと、一定期間を経て五体完全な小人が誕生するというのである。ルネサンスの自然魔術の系譜を踏むこの人間造出は、小宇宙(実験室)の中で原物質の死(腐敗)を通じて無垢(むく)の原人〈アントロポス〉を生む、死と復活の密儀思想を背景にもつ。(出典:世界大百科事典 第2版)
人工的に作られた人のことを指します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ホムンクルスの少女にとっては、短い生涯でたったひとつ信用できる真実。
(出典:三田誠『レンタルマギカ 第2巻 魔法使いVS錬金術師!』)
・私は過去、アインツベルンが作り上げたホムンクルスと戦った事がある。
(出典:奈須きのこ『Fate/hollow ataraxia 本編のみ ver1.00ルビあり』)
・それがホムンクルスである彼女を休息させるのに一番の姿勢であることは知っていた。
(出典:虚淵玄『Fate/Zero Vol.3 「散りゆく者たち」』)
・タレス あれはプロテウスがホムンクルスを騙して 連れて来たのだ。
(出典:森鴎外『ファウスト』)
・あれは奴が自分そっくりに造り上げたホムンクルスなんだ。
(出典:京極夏彦『姑獲鳥の夏』)
類語
・人造人間(じんぞうにんげん)
意味:機械的操作で手足や身体の各部分が自動的に動くように作られた人形。ロボット。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・自然魔術(しぜんまじゅつ)
意味:キリスト教にいう悪魔と関係をもつ魔術を黒(くろ)魔術black magic、天使や善き精霊の力を借りる術を白魔術white magicとして区別した。しかしF.ベーコンなどにより〈真正の魔術〉と呼ばれた自然魔術natural magicは、霊魂ではなく医薬や磁力や言語の表象機能を魔力の源泉とするもので、ルネサンス期の魔術観の中核を占めた。(出典:世界大百科事典)
・オカルティズム
意味:秘密、隠匿を意味するラテン語のoccult(-us)に由来する語で、本来は神秘、不可思議な事柄をめぐる観念と儀礼・慣行を意味したが、やがて広くあらゆる種類の呪術(じゅじゅつ)的、秘儀的、奇蹟(きせき)的な観念と儀礼・慣行をさすに至った。オカルティズムは、自然法則を超えてなお人間の運命や世界のあり方を左右しうる諸存在や原理、力が存在するとの観念・思考に基づいているので、科学的合理性によっては説明できない領域にかかわるものとされる。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・降神術(こうしんじゅつ)
意味:祈祷(きとう)やまじないで、巫祝(ふしゅく)などの身体に神を招きよせ、その人を通して神の意思を述べさせること。かみおろし。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・神秘主義(しんぴしゅぎ)
意味:神、最高実在、宇宙の根本理法など、それぞれの宗教でたてられる究極的・絶対的なるものへ自己が直接に合一、透入する体験を「神秘体験」という。神秘体験に至上の救済価値を認め、これを中心として独特の思想や行動を展開させるような、宗教の体系ないし形態が「神秘主義」とよばれる。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))