ブロック
「ブロックする」などのように使う「ブロック」という言葉。
英語では「block」と表記します。
「ブロック」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ブロック」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ブロックの意味
「ブロック」には次の六つの意味があります。
1 かたまり。
2 市街などの区画。街区。
3 鉄道で、列車間に一定の距離を保たせるための、信号を備えた小区画。閉塞区。
4「コンクリートブロック」のこと。
5 防御すること。妨害すること。多く、スポーツでいう。
6 おもちゃの積み木。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
ブロックの意味①「かたまり。」
「ブロック」の一つ目の意味は「かたまり。」です。
スーパーなどでよく目にする“豚のブロック肉”は豚のかたまり肉です。
ある素材のものがある程度の大きさを維持しているものに対して使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・かれにとって、この金属ブロックは多くの機械のひとつにすぎない。
(出典:K.H.シェール,クラーク・ダールトン/松谷健二訳『宇宙英雄ローダン・シリーズ 7 六つの月の要塞』)
・氷柱や氷の大ブロックが一夜で消えたり運ばれてきたりするところだ。
(出典:植村直己『エベレストを越えて』)
・巨大な透明のブロックは、それが現われたときと同様に忽然と消えてい
(出典:アーサー・C・クラーク『宇宙の旅〈オデッセイ〉シリーズ(全4巻) 1 宇宙のオデッセイ2001』)
・その後を追うようにして小さな雪のブロックが落ちてくる。
(出典:森村誠一『黒い墜落機(ファントム)』)
類語
・塊(くれ)
意味: かたまり。多く、土の小さいかたまりなどにいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・ランプ
意味:(一定の形のない)塊(出典:プログレッシブ英和中辞典(第4版))
ブロックの意味②「市街などの区画。街区。」
「ブロック」の二つ目の意味は「市街などの区画。街区。」です。
通りやしきりなど、区切られたある一定の領域の単位です。
自治体などの区分基準などに使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・東ブロックの代表団はアジア連合軍の失敗をはじめからともに見てきた。
(出典:K.H.シェール,クラーク・ダールトン/松谷健二訳『宇宙英雄ローダン・シリーズ 2 銀河の神々のたそがれ』)
・それも通常の読心力ではない。一ブロックも離れた地点の、雑踏の中のひとりの心を的確に読んだのだ。
(出典:眉村卓『不定期エスパー3』)
・第八居住区のB3ブロックは想像していたよりも小ぎれいな一画だった。
(出典:光瀬龍『東キャナル文書』)
・そして、それを見た。二ブロックほども離れているだろう、同じくらいの高さの建物の屋根。
(出典:九里史生『SAO-Web-外伝5 圏内事件』)
類語
・街区(がいく)
意味:道路,鉄道,河川,水路,恒久的な施設で囲まれた市街地の一区画。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・区画(くかく)
意味:ある物をしきって区別すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・地区(ちく)
意味:ある一定の区域。一区域の地(出典:精選版 日本国語大辞典)
ブロックの意味③「鉄道で、列車間に一定の距離を保たせるための、信号を備えた小区画。閉塞区。」
「ブロック」の三つ目の意味は「鉄道で、列車間に一定の距離を保たせるための、信号を備えた小区画。閉塞区。」です。
列車間の安全確保の一つ。
列車の走行中、一つのブロック区間に2両以上の列車が侵入しないための仕組みです。
ダイヤグラムによるコントロールだけでは遅延による衝突事故が頻発したため、導入されました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・電車は二ブロックさきの三番街のカーブをまわって見えなくなっていた。
(出典:ハメット/田中融二訳『死刑は一回でたくさん』)
・富沢駅から東へ三ブロック目の遮断機で異常が見つかり、一時停止車両が駅へと引き返していったのを、物珍しく眺めていた。
・信号が遅れ、同ブロック内に電車が2台侵入してしまうも、なんとか衝突を避けることができた。
類語
・閉鎖(へいさ)
意味:内にこもって他のものの立ち入りを許さないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・壅塞阻止(ようそくそし)
意味:ふさいで隔てること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・遮断(しゃだん)
意味:流れをさえぎって止めること。さえぎって、他の動き・作用などが及ばないようにすること。(出典:デジタル大辞泉)
ブロックの意味④「コンクリートブロックのこと。」
「ブロック」の四つ目の意味は「コンクリートブロックのこと。」です。
コンクリート素材の塊であり、一定の寸法で固められているものを言います。
ブロックを積み重ねてブロック塀や土止めが形成でき、建築や土木に欠かせない素材です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それから、下のブロックの椄ぎ目をもういちど確かめ、モルタルを左に厚く、右に薄く塗りつけて、次のブロックをただ積むのではなく、右から左へ滑らせるようにして置く。
(出典:ソルジェニツィン/小笠原豊樹訳『イワン・デニソビッチの一日』)
・殺風景なブロックで三方を囲まれた庭は夏のさなかでも寒々としていた。
(出典:吉田知子『無明長夜』)
・この島じゃ、コンクリート・ブロックみたいなもんでできた家が多い。
(出典:喜多嶋隆『ポニー・テールは、ふり向かない (ポニー・テールシリーズ1)』)
・ブロック工場をやめて以来、ぼくは一年半にわたって家にとじこもっていた。
(出典:東峰夫『オキナワの少年』)
類語
・タイル
意味:壁面・床面などに張付けて仕上げに用いられる土木建築用陶磁器。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・煉瓦(れんが)
意味:一般には粘土に砂を混ぜて練り、一定寸法の大きさに成形したものを乾燥させて焼成した赤れんがをさす。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・瓦(かわら)
意味:粘土を一定の形に作り、瓦窯で焼いたもの。(出典:デジタル大辞泉)
ブロックの意味⑤「防御すること。妨害すること。多く、スポーツでいう。」
「ブロック」の五つ目の意味は「防御すること。妨害すること。多く、スポーツでいう。」です。
近年では、防御するという意味から転じて、SNSやネット内における侵害の防御機能としてブロックという機能があります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・何かが全制御系をブロックしたのだ。
(出典:K・H・シェール,クルト・マール/松谷健二訳『宇宙英雄ローダン・シリーズ 10 宇宙の不死者』)
・そいつをおまえとおれだけで使えるようにブロックしてくれないか?
(出典:ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』)
・続け様に左右のパンチ、裏拳、ローキック。どれもが投げつけられた岩をブロックしているかのような破壊力だ。
(出典:柘植めぐみ,北沢慶,山本弘『妖魔夜行 穢された翼』)
・でもあの質問は役に立たなかったと思うな。奴がそれを話すことに対するブロックがあったはずだ、間違いなく。
(出典:ジョン・ヴァーリイ『バービーはなぜ殺される』)
類語
・ブロッキング
意味:ボクシングで、肩・腕・ひじなどで相手のパンチを受け止める防御法のこと。(出典:デジタル大辞泉)
・オブストラクション
意味:ラグビーやサッカーなどで、反則の一。相手のプレーを妨害すること。 野球では、走塁妨害のこと。(出典:デジタル大辞泉)
・阻害(そがい)
意味:さまたげること。じゃますること。(出典:デジタル大辞泉)
ブロックの意味⑥「 おもちゃの積み木。 」
「ブロック」の六つ目の意味は「おもちゃの積み木。」です。
主に木の塊であり、おもちゃとしての機能が備わっているものを指します。
例えばアルファベットがブロックのひとつひとつに描かれているものや、組み合わせることで多様な形になるものなど、知育に役立ちます。
近年では木ではなくプラスチックのものなど、多種多様なものを見かけます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そこには五人ほどの幼子が積み木やブロックといった玩具で遊んでいる。
(出典:楡周平『マリア・プロジェクト』)
・私がブロックで遊ぶのを諦めると彼がかわりにブロックの山の前へ座った。
(出典:乙一『ZOO』)
・しかし、ぼくの持っているブロックにかぎりがあることが悩みの種だ。もっと白いブロックが必要である。
(出典:森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』:)
類語
・キュービック
意味:多く複合語の形で用い、立体の、立方体の、の意を表す。(出典:デジタル大辞泉)
・レゴ
意味:20世紀半ばに一躍人気を博したプラスチック製の組み立てブロック玩具。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・パズル
意味: 考え物、判じ物など、それを解くことで知的満足を覚えるように作った遊戯的問題の総称。(出典:精選版 日本国語大辞典)