カタルシス
「心のカタルシス」などのように使う「カタルシス」という言葉。
ギリシャ語では「katharsis」と表記します。
「カタルシス」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「カタルシス」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
カタルシスの意味
「カタルシス」には次の意味があります。
・文学作品などの鑑賞において、そこに展開される世界への感情移入が行われることで、日常生活の中で抑圧されていた感情が解放され、快感がもたらされること。特に悲劇のもたらす効果としてアリストテレスが説いた。(出典:デジタル大辞泉)
「カタルシス」をわかりやすくいうと、感情的にすっきりと、晴れ晴れすることです。
「浄化」や「排泄」の意味もあります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・カタルシスを伴うその悲劇的性格はギリシアの運命劇に類比される格調があった。
(出典:ホーソン/鈴木武雄訳『七破風の屋敷』)
・ こういう精神の浄化作用をカタルシスというそうです。
(出典:沖藤典子『女が会社へ行きたくない朝』)
・暑い中、仕事で疲れきった神経を休めるちょうど手頃なカタルシスが自分なのだ。
(出典:東郷隆『(定吉七番シリーズ 2) ロッポンギから愛をこめて』)
・気分がうっとうしい時、映画や演劇を観たいと思うのは、こういうカタルシスを求めているのです。
(出典:沖藤典子『女が会社へ行きたくない朝』)
・邪悪な生き物たちが滅ぼされているというのに、カタルシスなどはなかった。
(出典:山本弘『妖魔夜行 悪夢ふたたび……』)
類語
・浄化(じょうか)
意味:心身の罪やけがれを取り除くこと。社会の悪弊などを除いて、あるべき状態にすること。(出典:デジタル大辞泉)
・排泄(はいせつ)
意味:身体内にあって不要となった物質を体外に捨去る作用で,排出ともいう。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・解除反応(かいじょはんのう)
意味:無意識の中に抑圧されていた過去の不安,緊張,外傷体験の状況が,あるきっかけのもとで再現され,その時の情動が激しい形で表現され解放されること。(出典:世界大百科事典 第2版)