わざわざ
「わざわざ思ってもないことを言う」などのように使う「わざわざ」という言葉。
「わざわざ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「わざわざ」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
わざわざの意味
「わざわざ」には次の二つの意味があります。
1 他のことのついでではなく、特にそのためだけに行うさま。特にそのために。
2 しなくてもよいことをことさらするさま。故意に。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
わざわざの意味①「他のことのついでではなく、特にそのためだけに行うさま。特にそのために。」
「わざわざ」の一つ目の意味は「他のことのついでではなく、特にそのためだけに行うさま。特にそのために。」です。
「わざわざ現地まで赴く」など特別な行動をする際に付属する副詞です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その人はまた彼のためにわざわざ国の方へ手紙まで出して置いてくれた。
(出典:島崎藤村『新生』)
・夫のいうように、わざわざ知らせに来るほどのことはなかったのである。
(出典:犬田卯『米』)
・彼らは遠くからわざわざ長い小説の原稿をもって彼を訪ねて来たのであった。
(出典:徳田秋声『仮装人物』)
・ここではかみさんがわざわざ通りに出て渡船場に行く路を教えてくれた。
(出典:田山花袋『田舎教師』)
類語
・特別(とくべつ)
意味:他との間に、はっきりした区別があること。(出典:デジタル大辞泉)
・格別(かくべつ)
意味:普通の場合とは程度・事柄が違っていること。(出典:デジタル大辞泉)
・殊更(ことさら)
意味:考えがあってわざとすること。(出典:デジタル大辞泉)
・一際(ひときわ)
意味:区別せず、ひとまとめに扱うさま。(出典:デジタル大辞泉)
わざわざの意味②「しなくてもよいことをことさらするさま。故意に。」
「わざわざ」の二つ目の意味は「しなくてもよいことをことさらするさま。故意に。」です。
「わざと」という意味であり、第三者によるセリフや描写でよく使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そうすることは自分からわざわざ苦痛を受けようとしていることなのだ。
(出典:久坂葉子『灰色の記憶』)
・つまり君はわざわざ自分を敗北者へ持って行くようなことをしたんだ。
(出典:海野十三『心臓盗難』)
・わざわざ馬を殺さなくても、屠殺所でそれを取ったらいいわけだからね。
(出典:豊島与志雄『愚かな一日』)
・そうして次の日同僚の手紙を持ってわざわざ回り道をして訪問に出かけた。
(出典:夏目漱石『門』)
類語
・敢えて(あえて)
意味:やりにくいことを押しきってするさま。無理に。(出典:デジタル大辞泉)
・意図的(いとてき)
意味:ある目的を持って、わざとそうするさま。(出典:デジタル大辞泉)
・わざと
意味:意識して、また、意図的に何かをするさま。ことさら。(出典:デジタル大辞泉)
・僭越(せんえつ)
意味:自分の地位や立場を越えて出過ぎたことをすること。(出典:デジタル大辞泉)