くどい
「話がくどい」などのように使う「くどい」という言葉。
「くどい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「くどい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
くどいの意味
「くどい」には次の二つの意味があります。
1 同じようなことを繰り返して言ったり長々と続けたりして、うんざりさせる。
2 味つけや配色などがしつこい。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
くどいの意味①「同じようなことを繰り返して言ったり長々と続けたりして、うんざりさせる。」
「くどい」の一つ目の意味は「同じようなことを繰り返して言ったり長々と続けたりして、うんざりさせる。」です。
この意味では会話や、文章などに使われる場合が多いです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そのことに彼らが、苦しみ恐れながら生きた姿を私はくどいまで書いた。
(出典:三浦綾子『海嶺(下)』)
・くどいようだが、ぼくはどこへも逃げようのない立場に置かれていた。
(出典:眉村卓『不定期エスパー7』)
・くどいほどそれを繰りかえしたが、まだ何か云い足りないものがあった。
(出典:本庄陸男『石狩川』)
・彼の廻りくどい話をきいているうちに、少しずつそれがわかってきた。
(出典:ハメット/村上啓夫訳『デイン家の呪い』)
類語
・口喧しい(くちやかましい)
意味:細かいところまでいちいち小言や文句を言うさま。(出典:デジタル大辞泉)
・耳に胼胝ができる(みみにたこができる)
意味:同じことを何度も聞かされて、嫌になる。(出典:デジタル大辞泉)
・うんざり
意味:何度も繰り返されたりしてあきてしまうさまを表わす語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・ねちねち
意味:性質や話しぶりがしつこいさま。(出典:デジタル大辞泉)
くどいの意味②「味つけや配色などがしつこい。」
「くどい」の二つ目の意味は「味つけや配色などがしつこい。」です。
この意味では主に料理の味付けや、色合いなど、感覚的な部分で使われることが多いです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・鉛筆の線もくどくなくて鋭いし、絵具の扱い方も勘どころを押えている。
(出典:丸谷才一『年の残り 他』)
・これは少しくどくてしつっこいので、あまりうまい魚だとはいえない。
(出典:開高健『新しい天体』)
・いい匂いがかえってくどくて邪魔に思えてくる。
(出典:開高健『珠玉』)
・これは朝によく、酒の後によく、くどいものを食った後には、ことさらにいい。
(出典:北大路魯山人『海苔の茶漬け』)
類語
・濃厚(のうこう)
意味:こってりとしたさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・こてこて
意味:度を越えて分量などの多いさま。(出典:デジタル大辞泉)
・こってり
意味:味や色などが濃くて、しつこいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・濃い(こい)
意味:色合いが強い。(出典:精選版 日本国語大辞典)