形而上
「形而上的な思想」などのように使う「形而上」という言葉。
「形而上」は、音読みで「けいじじょう」と読みます。
「形而上」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「形而上」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
形而上の意味
「形而上」には次の意味があります。
・ 形がなくて、感覚ではその存在を知ることのできないもの。時間、空間を超越した、抽象的、普遍的、理念的なもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「形而上学」というとアリストテレスから始まる哲学の伝統的様式の一つです。
形のない普遍的な原理や理念的なものを追究する学問となります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それは衰弱した神経の作用であり、形而上的な誘惑ではなかっただろう。
(出典:福永武彦『第三随筆集 枕頭の書』)
・本質に於て形而上的なるすべてのものは、芸術上に於て象徴と呼ばれるのである。
(出典:萩原朔太郎『詩の原理』)
・希望といふものは人間の存在の形而上學的本質を顯はすものである。
(出典:三木清『人生論ノート』)
・だんだんに形而上的話題、すなわち一般的な神学上の討論の数を増させた。
(出典:沼正三『家畜人ヤプー』)
・音楽的形而上観が如何にケプラーにとって天体法則発見の動機となったか。
(出典:戸坂潤『クリティシズムと認識論との関係』)
類語
・唯心(ゆいしん)
意味:すべての存在は心の現れであって、ただ心だけが存在するということ。すべての根源が精神にあるとし、精神を中心に考えること。(出典:デジタル大辞泉)
・観念(かんねん)
意味:物事に対してもつ考え。(出典:デジタル大辞泉)
・心情(しんじょう)
意味:心の中にある思いや感情。(出典:デジタル大辞泉)
・フィーリング
意味:なんとなく受ける感じ。また、感覚。(出典:デジタル大辞泉)
・イデー
意味:理念。(出典:デジタル大辞泉)