二階から目薬
「二階から目薬をさす」などのように使う「二階から目薬」という言葉。
「二階から目薬」は「にかいからめぐすり」と読みます。
「二階から目薬」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「二階から目薬」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
二階から目薬の意味
「二階から目薬」には次の意味があります。
・2階にいて、階下の人に目薬を差すこと。もどかしいこと、また遠回しすぎて効果がないことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
目の近くから目薬をさせばいいものを、わざわざ2階から目薬をさすことから、もどかしかったり、遠回りで効果が得られないことを意味することわざです。
似た表現に「天井から目薬」ということわざがあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・二階から目薬とやらではあるまいし、お天守の五重から釣をするものがありますかえ。
(出典:泉鏡花『天守物語』)
・「二階から目薬」 ということわざは、だから、できないこと、しても無駄なことのたとえだ。
(出典:青木雨彦『ことわざ雨彦流』)
・考えてみれば、ドイツの英本土攻撃にすがって祖国の独立を望むのは、「二階から目薬をさす」ような間接策である。
(出典:児島襄『指揮官』)
・二階から目薬的な利益は後回しにして、わが議員達は反対しなければならぬ良心を持っている。
(出典:戸坂潤『現代日本の思想対立』)
・外務省式の二階から目薬的な日支親善の代りに、北支事件の結果成功しそうに見えたものは、もっと手近かの「北支経済援助」だったのである。
(出典:戸坂潤『世界の一環としての日本』)
類語
・もどかしい
意味:思うようにならずいらいらする。(出典:デジタル大辞泉)
・隔靴掻痒(かっかそうよう)
意味:思うようにならないで、もどかしいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・回りくどい(まわりくどい)
意味:遠回しでわずらわしい。(出典:デジタル大辞泉)
・徒労(とろう)
意味:むだな骨折り。(出典:デジタル大辞泉)
・無意味(むいみ)
意味:意味のないこと。(出典:デジタル大辞泉)